大阪で「直葬」を選ぶ人が増えている理由 ― 費用・流れ・後悔しないための注意点

「通夜も告別式もしないで、火葬だけでお願いできますか」

葬儀の相談の場で、この一言を耳にする機会がここ数年で本当に増えました。少し申し訳なさそうに切り出される方もいれば、「親の遺言なので」とはっきりおっしゃる方もいます。

通夜や告別式を行わず、火葬だけでお見送りする形を「直葬(ちょくそう)」または「火葬式」と呼びます。ひと昔前までは「事情がある人が選ぶもの」という見られ方をすることもありましたが、今はそうではありません。

この記事では、大阪で直葬を考えている方に向けて、選ばれている理由、実際にかかる費用、亡くなってから火葬までの流れ、そして後から「こうしておけばよかった」とならないための注意点を、順を追ってお話しします。


目次

直葬(火葬式)とは?家族葬・一日葬との違い

直葬は、通夜と告別式という2つの儀式をどちらも省き、ご安置のあと火葬場へ向かう葬儀の形です。参列するのは、ご家族やごく近しい親族だけというケースがほとんどです。

よく混同されるのが「家族葬」と「一日葬」です。違いを一言でまとめると、こうなります。

形式通夜告別式火葬
一般葬・家族葬ありありあり
一日葬なしありあり
直葬(火葬式)なしなしあり

家族葬は「参列者を絞った葬儀」のことで、儀式そのものは一般葬と同じように行います。一方、直葬は儀式をほぼ行わないという点で、性格がまったく異なります。

ただし「儀式がない=お別れの時間がない」というわけではありません。ここは後ほど詳しく触れます。


直葬を選ぶ人は全国で約1割に

最新調査で「10.8%」まで増加

鎌倉新書が2026年5月に公表した「第7回お葬式に関する全国調査」では、直葬・火葬式を選んだ人の割合は**10.8%**でした。前回(2024年)の9.6%から1.2ポイント増えています。

葬儀の形式2024年調査2026年調査
家族葬50.0%47.0%
一般葬30.1%30.2%
一日葬10.2%11.9%
直葬・火葬式9.6%10.8%

※出典:鎌倉新書「第7回お葬式に関する全国調査(2026年)」

家族葬がわずかに減り、一日葬と直葬が増えている。つまり「もっとシンプルに」という流れが、家族葬のさらに先へ進んでいると読むことができます。

大阪で直葬が選ばれやすい3つの背景

全国の数字に加えて、大阪ならではの事情もあります。

ひとつは、大阪市立斎場の火葬料が市民なら1万円(10歳以上)と、比較的手頃に抑えられていることです。火葬場の費用が高い地域に比べると、直葬の総額を低く抑えやすい環境にあります。

ふたつ目は、都市部らしい家族のかたちです。子ども世代が遠方に住んでいる、親戚づきあいがほとんどない、マンション暮らしで自宅に人を呼べない。こうした事情が重なると、「大きな式をしても呼ぶ人がいない」という結論になりやすいのです。

そして三つ目が、高齢化です。90代で亡くなる方が珍しくなくなり、故人の友人や同僚もすでに他界していたり、参列が難しかったりします。喪主自身が70代ということも多く、体力的に通夜・告別式の2日間をこなすのが厳しい、という声も聞きます。


大阪で直葬をすると費用はいくら?

全国平均は約50万円

前述の全国調査では、直葬・火葬式にかかった費用の平均は49.56万円でした。一般葬(約122万円)の半分以下、家族葬(約96万円)と比べてもおよそ半額です。

「直葬は10万円台でできると聞いたのに」と思われた方もいるかもしれません。確かに広告では10万〜20万円台のプランをよく見かけます。ただ、これはあくまで基本プランの価格で、実際には次のような費用が加わるのが一般的です。

直葬にかかる主な費用の内訳

  • ご遺体の搬送費:病院や施設から安置場所まで、安置場所から火葬場まで
  • 安置料・ドライアイス代:火葬の日まで、日数分かかる
  • 棺・骨壺・仏衣など:最低限必要な葬具
  • 火葬料:大阪市立斎場なら市民10,000円、市外の方は60,000円(10歳以上)
  • 手続き代行:死亡届の提出や火葬許可証の取得
  • 宗教者へのお礼:火葬炉の前で読経をお願いする場合

広告のプラン価格と、最終的な支払額の差が大きくなりやすいのは、主に安置日数と搬送距離です。冬場で火葬の予約が取りにくい時期は、安置が長くなり、そのぶん費用も増えます(この点は「冬に急増する火葬待ち」の記事でも詳しく書いています)。

「大阪市民かどうか」で火葬料が6倍違う

見落としがちなのが、火葬料の市内・市外の差です。大阪市立斎場では、亡くなった方が市民であれば10,000円ですが、そうでない場合は60,000円になります。

「実家は大阪市内だけど、親は堺の施設に住民票を移していた」といったケースでは、思っていた金額と違うことがあります。住民票がどこにあるかは、早めに確認しておきましょう。


亡くなってから火葬までの流れ

直葬は儀式が少ないぶん、流れもシンプルです。一般的な順序は次のとおりです。

1. ご逝去・葬儀社への連絡

病院や施設で亡くなった場合、まず葬儀社に連絡してお迎えを依頼します。病院から紹介された葬儀社にそのまま頼む必要はありません。直葬を希望する場合は、この時点で「火葬のみで考えています」と伝えておくと話が早く進みます。

2. ご安置

ご遺体を自宅か、葬儀社の安置施設へ移します。法律上、亡くなってから24時間が経過しないと火葬はできないため、直葬であっても最低1日はどこかで安置することになります。

3. 打ち合わせ・手続き

火葬の日時、棺や骨壺、お花などを決めます。死亡届の提出と火葬許可証の取得は、多くの場合、葬儀社が代行してくれます。

4. 納棺

ご遺体を棺に納めます。ここでお花や思い出の品を入れたり、ゆっくりお顔を見たりする時間を取ることができます。

5. 出棺・火葬

火葬場へ向かい、炉の前で最後のお別れをします。火葬にかかる時間はおよそ1〜2時間です。

6. 収骨(お骨上げ)

火葬が終わったら、ご家族でお骨を骨壺に納めます。これで直葬は終わりです。

最短で、亡くなった翌日に火葬まで終えることもあります。ただし大阪市内の斎場は混雑する時期があり、数日待つことも珍しくありません。

大阪市内で火葬できる斎場

大阪市には市立斎場が5か所あります。2024年度の火葬件数は、平野区の瓜破斎場がおよそ1万5,300件と最も多く、北区の北斎場が約1万300件、大正区の小林斎場が約5,900件、鶴見区の鶴見斎場が約4,400件、西淀川区の佃斎場が約2,200件と続きます。

どの斎場を使うかは、安置場所からの距離や予約の空き状況で決まることがほとんどです。自宅から近い斎場を希望する場合は、葬儀社に早めに伝えておきましょう。


直葬で後悔しないための5つの注意点

直葬はシンプルで負担の少ない形ですが、終わってから「こうしておけばよかった」という声が出やすいのも事実です。現場で耳にすることが多いものを挙げます。

注意点1:菩提寺がある場合は、必ず事前に相談する

いちばんトラブルになりやすいのがここです。代々お墓がお寺にある場合、相談なしに直葬を済ませてしまうと、**「読経もしていない方は、うちのお墓には入れられない」**と納骨を断られることがあります。

お寺によって考え方はさまざまです。火葬炉の前でお経だけあげてもらう、後日あらためて戒名をいただく、といった形で折り合えることも多いので、まずは一度連絡を入れてください。

注意点2:親族の理解を得ておく

「なんで通夜もしないの」「最後に顔を見たかった」。直葬のあと、親戚からこう言われて気まずい思いをしたという話は少なくありません。

とくに故人のきょうだいなど、近い親族には「本人の希望で」「家族で話し合って」と、事前にひとこと伝えておくだけでも受け止め方は変わります。

注意点3:お別れの時間を「つくる」意識を持つ

直葬だと、火葬場での別れが10分ほどで終わってしまうこともあります。「あっという間で、ちゃんとお別れできなかった」という後悔は、実はかなり多いのです。

対策はシンプルで、納棺のときや安置中に、家族だけの時間をしっかり取ることです。最近は、安置施設の中にお別れ用の個室を用意している葬儀社もあります。好きだった音楽をかける、手紙を入れる、孫が描いた絵を持たせる。儀式がなくても、そういう時間があるだけで気持ちの整理はずいぶん違ってきます。

注意点4:見積もりの「含まれていないもの」を確認する

国民生活センターには、「チラシの価格で頼んだのに、最終的に倍以上になった」という葬儀の相談が毎年寄せられています。直葬も例外ではありません。

見積もりを受け取ったら、「安置が延びた場合はいくら増えますか」「火葬料は含まれていますか」「ほかに追加になる可能性があるものは何ですか」と、遠慮なく聞いてください。ここをはっきり答えてくれるかどうかが、葬儀社を見極めるひとつの目安になります。

注意点5:後日の弔問への備え

直葬は、亡くなったことを知らせる範囲も小さくなりがちです。そのため、あとから訃報を知った知人が、何週間にもわたって自宅へ弔問に訪れることがあります。

落ち着いたころに「お別れの会」を開く、ハガキで報告する、といった形で、ひと区切りをつけておくのもひとつの方法です。


よくある質問

Q. 直葬でも香典は受け取れますか? 受け取ること自体は問題ありません。ただ、直葬は参列者が限られるため、あらかじめ「香典は辞退します」と伝えるご家族も多いです。

Q. 直葬でもお経をあげてもらえますか? できます。火葬炉の前で短く読経をお願いする「炉前読経」という形があり、菩提寺がない場合も葬儀社に相談すれば僧侶を手配してもらえます。

Q. 生活保護を受けている場合はどうなりますか? 条件を満たせば「葬祭扶助」の対象になり、直葬に近い形で費用がまかなわれます。葬儀を行う前に、お住まいの区の福祉担当窓口へ相談してください。

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この記事を書いた人

大阪 堺市 ひかりグループ ちいさなお別れホール
直葬・1日葬のことならお気軽にご相談ください。
心を込めてお見送りしております。

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